パプアニューギニア旅行記 -- 序章 --

それは、一通のEメールから始まった・・・・


 僕には、以前から何度か言語学のフィールドワークのためにパプアニューギニアを訪れている友人がいる。彼が日本に戻ってきた時に、一度パプアニューギニアに遊びに行きたいなぁ、とよく話していたのだった。

 そんなある日、彼から一通のメールがやって来た。

  遅くなってごめんね。メールでのお返事はもう見られないと思う。

  こんにちは。マレーシア航空で行くことにしました。もうすぐ出発です。こ
の朝なの。

  簡単だけど、PNG旅行、ちょっとだけ。

  PNGは暴力的な犯罪が多いのです。基本的に人はいいけれど、くれぐれも気
を付けて。

  クンディアワでぼくを探すなら、まずGlory Tradingという店の、おそらく
御主人である Kim Yong Hoさんを見付けると、買い物とか、親切にしてもらえ
るはずです。適当に韓国人を見掛けたら「日本の友達がずっときているんだけ
ど」とか言ってみてください。

  ぼくがいる村は、ドムの中の、Sipa Kulというところです。もっと小さな名
前はYaire Mauleと云います。Kundiawa で、Sipa Kul行のバスを探しているの
だと人に訊いてみてください。必ずドムから來ている人にぶち当たって、連れ
て行ってもらえるはずです。そこまで来たら、着いたも同然で、バスを待って
いる人はみんな ``Gigmai''(ぼくの通称)を知っています。

 ・・・・・

 そして、このメールから約1ヶ月後、この情報だけを頼りに、彼を訪ねるべく、僕の無謀なパプアニューギニア旅行は始まった・・・。


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