1998年12月25日(金)
オーストラリア to パプアニューギニア


 ケアンズの空港を出て、ついに、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーに向かいます。
極楽鳥のデザインのAir Niugini
飛行機はエア・ニューギニーです。ここに来るまで乗った飛行機の中では一番大きく、機内食も豪華でおいしかったです。 快適な機内の旅をすごそうとしていると、さすがに疲れがたまってるのか、昨日のスカイダイビングの影響もあるのでしょうか、気圧のために耳がつーんとなってしまいました。 尋常ではなく、周りの音は全然聞こえないし、なによりむちゃむちゃ痛い。 パプアニューギニアに着いて、全然言葉が聞き取れないのは大変なので、一生懸命つばを飲み込んだり、あくびをしてみたりと大変でした。
とても豪華な機内食

 そうこうしているうちに、飛行機から緑の山々が見えて来ると、ポートモレスピーはまもなくでした。 飛行機からその山々を眺めている限り、特に他の国と変わった様子はありません。 これから、この国でどんな大冒険が待ちかまえているのかなぁ、と胸をわくわくさせながら、ひらちゃんは空港内へと進んで行きました。

 空港内では、まず入国審査があります。 ビザは現地で取得するつもりだったので、日本では取って来ませんでした。 日本では、東京に行かないと取ることが出来ないので、大阪に住むひらちゃんとしては、ちょっと大変です。
パプアニューギニアのビザ
しかし、パプアニューギニアのビザは、便利なことに、ポートモレスピーの空港で購入することができるんです。 早速「Without VISA」の書いてある方に並ぶと、なんと、ビザの購入にはドルや円は使えないではありませんか。 パプアニューギニアの「キナ」のみしか使用できないらしい。 どうしたらよいかと尋ねると、銀行に行って両替してくるように言われました。 銀行に行くには、入国審査や税関をすっ飛ばさないといけません。 でも、いとも簡単にひらちゃんは銀行まで入国することができてしまいました。 このまま戻らなければ、簡単に不法入国ですね。 ひらちゃんには、やましいことはないので、国外に戻って再び入国審査を受けました。 ビザはシールになっていて、パスポートにペタンと貼ってくれます。 荷物検査は特に止められることなく、すんなりと入国することができました。

 さぁて、もう一度銀行です。 さっきはビザに必要な分しか両替しなかったので、滞在中必要そうな額を両替しました。
両替では計算間違いに注意
あとで気づいたのですが、なんと、ここでのレートの計算が間違っていました。 あいや〜、ひどいもんだ。 100キナ(6000円くらい)損するところでした。 ま、帰るときに文句を言うと、すぐに差額を返してくれたけどね。

 次に、最終目的地のクンディアワまで行くためには、国内線の予約をしないといけません。 一歩空港内を出ると、驚いた、たくさんの人々が路上に座って、話をしたりいろいろしています。 入り口ではチケットを持たずに、何とか空港内に入ろうとする人を入らせないように、ガードマンが厳しくチェックしています。 なんとも、治安が悪そうな雰囲気です。 で、僕は国内線のチケットを取るために、国内線ロビーに入らないといけないんだけど、チケットを見せろ、とガードマンに止められてしまいました。 これから買いに行くところだと説明すると、すぐに通してもらえたけど。 こういうところ、ガイジンは得ですね。 パプアニューギニアの人からすると僕らは白人なのです。 でも、オーストラリア人は黒くならないけど、フィリピン人、中国人、韓国人、日本人は黒くなるので好感が持てるそうです。
大きな市場にバスが止まったところ

 さて、月曜発のチケットを取りたかったのですが、なんと、またまたキャンセル待ち・・・。 まいったぁ。 しかも、ガイドブックの値段より倍近くに値上がりしていました。 ま、どうあがいても仕方ないので、Waiting listに入れてもらいました。 とりあえず、当日朝早く来れば何とかなるということでした。。

 一応チケットをゲットして、よし、今夜の宿を探しに行くことにします。 ガイドブックによると、Borokoに安い(といっても高いけど)宿があるようなので、そこに向かうことにします。 10番のバスに乗ればいいのですが、聞いてみると10番のバスは来ないと言います。 どういうことだ。だまされているのか、いきなり不安になります。 さっそく、少し覚えたパプアニューギニア語を使ってみます。 「Mi laik go long Boroko.」 すると、そこに止まってるバスに乗れと言うので、とりあえず、乗ってみました、 バスでは、入り口のところの席に座ってる人が車掌さんです。 乗るときはその車掌さんに料金を支払います。 ひとり50T(トイヤ)約30円くらいです。
パプアニューギニアで一番大きい
というBorokoのバスターミナル

 さて、なんとかBorokoに着いたのですが、あれあれ、持っていたガイドブックを見ながらでも、右も左もわからない。 困ったので、公園でたむろしていたおっさんの一人(実は、僕より5才も年下だったのだが)に聞いてみると、そんな宿は聞いたことがないといいいます。 電話もしてもらったのですが、残念ながらかかりません。 それで、別のホテルがあるというので、連れていってもらったところ、結構高い。80K(約5000円)くらいするのです。 20Kから30Kくらいを予算にたてていたひらちゃんは、あまりにも高すぎる値段です。 困っていると、じゃ、別のホテルに連れていってくれると言います。 パプアニューギニアの人は一般的にむちゃむちゃ人に大して親切です。 ただし、その親切に対して対価を要求される場合も多いです。

 右も左もわからないので、とりあえず甘えることにして、バスに乗って別のホテルを目指しました。 着いたところは、コキ(Koki)の近くのBudget INN というホテルでした。 門には厳重に鍵がかけてあり、ガードマンが立っています。 ここのホテルは、バストイレ共同で50Kでした。 これ以上探しても見つからなさそうだったので、今宵はここに泊まることにしました。
いろいろ案内してもらったJames
部屋まで行くと、案内してくれた男(ジェームズ)が今夜は一緒に泊めてくれて、飯代とかを出してくれたら、明日から案内してやろう、といいます。 家がないのかとも思ったのですが、家はバディリ(Badili)にあると言います。 ま、そんなに悪そうにも見えなかったし、一人で出歩くには危険そうな街だったので、ここは賭けに出て、そうすることにしました。

 ジェームズは用事を済ませて来るということで、2K持って出かけてしまいました。 本当は50T x 2で1Kあれば往復できるのに、2K要求するあたり、ちょっとせこいです。ま、これくらいはいいでしょう。 彼からは、いない間ひとりでホテルから外には決して出るな、と注意されました。 確かに、ホテル内でも、棟の入り口には従業員が見張っています。 昼間は共同のトイレにも鍵がかかっていて、開けてもらうか鍵を借りるかしなければなりません。 近年、パプアニューギニアの治安はどんどん悪くなっていて、ラスカルと呼ばれる強盗集団がいるそうです。 外国人だけではなく、地元の人も彼らのことを恐れています。 聞いたところ、「金はあるか?」と聞かれて「ない」とこたえた瞬間に、銃で撃たれた人もいるそうです。 僕が行ったちょっと前にも、中国人の豆腐屋が殺されたそうで、油断は出来ません。

 とりあえず、部屋にいても仕方がないので、ホテル内にある食堂(kai bar)に行ってみました。 食べるものはもうなかったので、コーラでも飲むことにしました。 周りの人たちはビールを飲んで上機嫌です。 物珍しそうに僕に話しかけてきます。 首都ポートモレスピーでは多くの人が英語を話すのですが、そんなに英語の得意でないひらちゃんにとっては、癖があってなかなかむずかしいです。 「フィリピンから来たのか?」とか、「このホテルに泊まってるのか?」とか他愛もない話から、第二次世界大戦の話までいろいろ話していると、ホテルの従業員が来て、その話し相手たちを僕から引き離しました。 そして、こんなところに来てはだめだから、部屋に戻りなさいと、注意されました。 やはり、治安が悪いんでしょうかね。

 Jamesは7時に戻ると言っていたのですが、なかなか戻って来ません。 ま、戻ってこないならそれでも別にいいのですが。 それより、戻ったら飯を食べに行こうと思っていたので、ひらちゃんは腹ぺこです。 しかし、さっきはKai Barにはもう食べ物がなかったし、今頃外は出歩けません。 そうこうしていると、8時頃Jamesが戻ってきました。 腹減ったことを伝えると、食べ物を買いに行ってくれました。 パプアニューギニア1日目の食事は、ジャガイモ、蒸したバナナ、ソーセージでした。 ジャガイモは焼いてあり日本で食べられるようなものです。 バナナは日本と同じようなものと、芋のような堅いものの2種類があり、これは堅い方です。 おなかがすいていたこともあり、たっぷりとおいしくいただきました。

 食事の後、せっかくだから、パプアニューギニアの言葉を教えてもらうことにしました。 パプアニューギニアの公用語はピジン英語(Pidgin English)です。 現地ではトクピシンと呼ばれています。 ピジンとは、言語の違う人々が意志疎通をしようとする時に、単純な文法形式と限られた語彙を用いて便宜的作られたものを言います。 (本来ピジンとは初期の段階で消滅するもので、土着化し一言語共同体の母語となった場合はクリオールというらしい。そう言う意味では、パプアニューギニアのピジン英語はクリオールの段階なのであろう。) だから、トクピシンは英語と似ているので取っつきやすく、単純化されているので覚えやすいです。 トクピシンについては別にページを作ろうと思っていますので、乞うご期待。 (と思ってたのですが、すっかり忘れてしまったので、こんなんじゃ書けないなぁ・・・。 でも、トクピシンのページってないんですよねぇ。)

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